自給自足と他者依存、そして権利委譲

3 お金をかせぐ

ちょっと難しい言葉を使って、ちょっと難解な話をします。

これは私の持論で、おそらくどのビジネス本にも載っていないので、聞きなれない話となるかもしれません。

結論は、仕事において、まずは自分自身の力で貫き、その上で他人に頼り、大きくなったらその人に上げてしまいましょうということです。

世の中、自給自足できる?いや、できない。

まずは、自給自足について書いていきます。

よくあることを思っています。

人間、自分の力だけで生きていければいいのにな、でも誰かに頼らないと生きていけないなということです。

生きていくには食べる必要があります。

食べなくても生きていければ、生きていくのに困ることはないのですが、そういうわけにはいきません。

食べ物を自分で育て、育てたものを食べる。

いわゆる自給自足で、これができれば一人で生きていられる。

と思いましたが、よくよく考えれば不可能なことでした。

まず、育てるものは何でしょう?芋?豆?トマト?キャベツ?

それって誰かが品種改良をして作ったものですよね。

自然に生えているもので、健康に生きていけるとは思えません。

鶏?豚?牛?魚?

すみません。生体は動物園や水族館、スーパーではパックに包まれた切り身でしか見たことありません。

農作に戻って

育てる土地は、誰かのものです。

水は、海水では育ちません。淡水はどう調達するのでしょうか。

食だけではなく、衣と住についても、、、

雨風をしのぎ、寝る家は?

寒暖をしのぐ服は?

・・・もう人間は、一人で生きていくのは無理なのです。

衣 食 住

電気 水道 ガス

パソコン インターネット SNSサイト

自分が普段享受しているものは、すべからず誰かが作っているものです。

その誰かも、他の誰かが作った何かで、それを作り上げているのです。

ここに自給自足は確立せず、他者依存の上でなりたっています。

他者依存しているのが基本。

他者から恩恵を受けている限り、何かで返さなきゃいけない。

自分にできるものを生み出して、もしくは何にでも交換できるお金の形で、他者のサービスを受け取る。

しいて言えば、お金は自分では生み出せません。

原則は、自分で生み出したものを交換していくのです。

他者のサービスに依存しながら、自分のできることを多くし、強くしていくことが大事と考えます。

話は戻って、ビジネスでは

ビジネスの面での自給自足について、書いていきます。

ここでも、「自分のできることを多くし、強くしていくこと」を踏まえて書きます。

ここでいう自給自足は、「人に振らず頼らず、自分の力でやり抜く」という意味で使っています。

もちろん完全に自分だけの力でやり抜くことは、先にも書いた通り不可能です。

その上で書いていきます。

私は、仕事でシステム商談を行っておりますが、商談の時には、要件確認から機能説明、見積提示、受注まで主体的に行っています。

それぞれのイベントに使う資料も、自分で作成します。

メリットは、そのお客様ごとにぴったりの提案ができることです。

資料の大元のかたちは、以前の商談で使ったものを使いますが、大概は作り直します。

その時に他の者が作った資料を再利用するのであれば、なおさらです。

再利用した方が時間の削減になるのかもしれませんが、その分その資料に込めた根拠を理解することができず、その分顧客への提案に想いが込められません。

顧客からしても、想いや意味のないページがあればある資料であるほど、稟議の際に十分に説明することが難しくなるのです。

機能説明や見積についても、相手のことを踏まえた提案をするためには、人に任せず自分でやりとおした方が想いが込められます。

そして、それによって培ったノウハウが、次の商談で活かされてきます。

どんなことが来ても対応できる力がつきます。

もちろん最初から、複数人と役割分担をして行うこともあります。

その場合は、まずその商談は自分が主担当であることを強く持ち、自分の役割に対して、しっかり取り組むことが大切です。

「顧客に、自分の提案を採用してもらうこと」を忘れずに、自分主導で動いていく。

役割分担してもらう相手に、自分の提案の趣旨を伝え、どのようにしてもらいたいかを綿密にすり合わせる。

成功したなら自信を持ち、失敗したならその原因究明をし、次に活かせるノウハウやスキルを蓄える。

これがビジネスにおける自給自足と考えています。

主体的に自分事としてとらえ、やりましょう。ということです。

他者依存

次は、他者依存についてお話していきます。

ここでいう他者依存とは、自分事としてとらえずに、他の人にしてもらおうとすることと言えます。

よく、仕事は人に振って一人前と聞きます。

確かに早く、効率良く進むのは、自分一人だけで行うよりも、他人に振って進めるやり方だと思います。

しかし、それはあくまで、自分が担当となった依頼や事業を、自分が精いっぱい行っていることが前提だと考えます。

ただ単に、左から右へと振るというのは下記のデメリットがあると考えます。

・振った相手からの反発がくる

・振った仕事の品質が保証できない

どちらも、振った人の想いがないことから生じます。

<振った相手からの反発がくる>

仕事を振った相手は、何もしていないのでしょうか。

そんなわけはないですよね。

もしかしたら自分よりは忙しくないのかもしれませんが、相手も自分のスケジュールを組んで仕事をしています。

もしかしたらプライベートで問題があり、その対応で追われているかもしれません。

その中で、ただ単に仕事を振られたら、正直イラっとします。

従順にさせる言い方もあるかもしれん。

「若いうちは苦労を買ってでもしろ」「勉強だから」「おれの言うことを聞かなかったらどうなるかわかっているのか」などなど

ですが、このようなやり方をしていたら、反発は逃れられないでしょう。

影でこそこそ言われているのは間違いありません。

そこでもし、強い想いとともに依頼をするのでしたら、

「これはわが社の命運を握る仕事だ。何としてでも成功させたい」「これこれこういう作業があって、ここをあなたに手伝ってもらうととても助かる」

振られた相手は納得し、優先度を自主的に上げて、仕事をこなしてくれるでしょう。

<振った仕事の品質が保証できない>

まず、ちょうどよい品質というのは千差万別です。

自分の想いと、相手の想いの交わったところがベストな品質です。

これを踏まえると、まずは自分の想いが無ければ、相手はどこまで仕上げていいかわかりません。

自分の予定を繰り上げて仕上げたものが、こうじゃないと言われた日には怒り心頭です。

じゃあ先に言ってくれよと。

褒められたとしても、やはりその基準がわからず、なんだか軽く聞こえます。

どうでもいいと思っている依頼であれば、最初から振ってほしくないです。

強い想いとともに、例えば事業成功のために、こういうコンセプトで、特にここを丁寧に仕上げ、いついつまでに作ってほしい、と伝える。

その上で、意図せぬものが仕上がってきたら、また改めて伝えなおし、予想以上のものが仕上がったら、その部分をほめる。

それが大事だと考えます。

人に頼ること自体は正しいと思いますが、その頼り方や頼る分量には気を付けましょうというお話です。

他者依存とレバレッジ → 危険

他者依存について、もう一つの側面で、話します。

他者依存はレバレッジが効き、自分一人以上の成果を生み出せますが、反対に自分では負いきれないほどの債務も発生しうるということです。

自分一人で行うのであれば、事業の継続や、事業をやめる時に迷惑をかける人や、支払う金額は対応できる範囲で済むでしょう。

しかし、人に頼めば頼むほど、爆弾を抱えることになります。

・この人がいないと、その事業がなりたたない

・サービスを必要としている人に迷惑をかける

・終息にかける費用を捻出できない

ですが、大なり小なり他者に頼る必要があるのです。

それは、自給自足のところで述べたように、何をするにも他者のサービスが必要です。

なので、事業を継続するために、規模の調整や、継続の仕組みづくりは日ごろから意識する必要があります。

そして、終息の際にかかる費用も用意しておく必要があります。

他者に頼ることにより、てこの原理のように、自分は小さな力で大規模・急成長できますが、

それが負債となった時は、自分一人で抱えることはできないことも覚悟しようというお話です。

権利委譲

育ってきた事業は委譲した方がいいのではないか、というお話です。

特に、誰かに依頼して、その者が中心となり育って軌道に乗った事業は、その者に譲渡して、財布も別にするということです。

私の好きな言葉に「蟹穴主義」があります。

そして、もう一つ、「はたらきアリの2:6:2の法則」です。

「蟹穴主義」とは、自分の体の大きさ分の穴をすみかとする蟹に見立て、必要な分だけを所有するという考え方です。

「はたらきアリの2:6:2の法則」とは、何人で物事を行おうとも、優秀に動く者2割、普通に動く者6割、怠ける者2割というものです。

自分が全身全霊注力して、主体的にできることは限られます。

頼ってしまったら、少なからず、自分の想いを強く乗せることはできません。

その頼った人が、その人の想いで成し遂げたことなのです。

それをあたかも自分の事業かのように保持することは、思いが足りず、続かせることはできないでしょう。

いろんな事業を抱え、人を増やすだけ増やしても、人により成果の偏りが出ます。

すべての事業を優秀にこなす人、何もこなさない人

であれば、事業ごとに分け、優秀に動く人を増やすことがよいと考えます。

手広く行うより、専門性高く、強い想いを乗せていく。

強い想いを持つものに委譲し、人員や資金などのリソースはそれに分けるべきでしょう。

最後に

人が仕事をするに際しての、自分の力で行う意義、他者に依頼する際の注意点、それを踏まえての委譲の有用性をお話させていただきました。

社会を良くするためには、一人一人が強く、自分の夢や事業を生み出せればという思いでこの記事を書きました。

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