子どもへの絵本読みはこれでOK

「パパ!ご本読んで!」

子供に絵本を読む。

寝る前の時も、家でくつろいでいる時も、子供から絵本を読んでとせがまれる機会は多々あります。

正直言って、面倒くさいです。

何が面倒くさいって、絵本を読んでいても話が進まないからです。

例えば桃太郎の話をする場合に

「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに・・・」

と読み始めると、

「あのね!おじいさんは山へ芝刈りに行くんだよ!おばあさんは川へ洗濯に行くんだよ!」

とか

「今日はおじいさんが川へ洗濯に行って、おばあさんが山へ芝刈りに行くんだよ!」

とか

「おじいさんが”山”へ”洗濯”しに行って(ゲラゲラ)、おばあさんが”川”へ”芝刈り”に行って(ゲラゲラ)」

とか

開始2行目でまったく話が進みません。

もう、大きなモモは、はるかかなたに流れて行ってしまっているでしょう。

桃太郎、完!

いや、もはや桃太郎がでないままお話が終わるので、話のタイトルとしては

あるところにいたおじいさんとおばあさん、完!

でしょうか。

鬼は倒されることはないので、人類は鬼によって、永遠に苦しめられ続けるのです。

そう、子供のちゃちゃによって歴史が変わってしまいます。

剣術と呼吸法を身につけないと、鬼に殺されてしまう世の中になってしまうのです。

そんなわけにはいきません。

私たちはなんとか絵本を読み進めて、桃太郎を誕生させ、犬とサルとキジをお供にして、鬼を退治してもらい、世の平和を保つ責務があるのです。

「はいはい!静かにして!読むよ!おばあさんが川で洗濯していると川上から大きなモモがどんぶらこ、どんぶらこと・・・」

「ねえねえ、大きなももはどこから流れてきたの?どんぶらこって何語?」

「はいはいはい。おばあさんが家に持ち帰って・・・」

「(絵を見て)こんな大きいももを持ち帰るなんておばあさんって力持ちだね。」

「(無視)山から帰ってきたおじいさんと桃を食べようと、包丁で切ろうとした瞬間、桃が勝手に割れて、中から男の子の赤ちゃんが・・・」

「飛び出して、包丁に刺さって死んじゃいました!(ぎゃはははは)」

また桃太郎が終わってしまいました。

とまあ、こんな感じで全然話が進まないのです。

読んでるほうは読みたくないのに読ませられ、中々終わらない時間をもどかしく感じます。

こっちはもう寝たいのに。やりたいことがあるのに。

そのような中で効果的な方法があります。

それは『子供の話した言葉や話に乗っかって一緒に話をすること』です。

大事なのは、本来の話を最後まで読み終わらせることではなく、子供の関心に合わせてお話を進めていくことです。

そして、話をする側も楽しむことも大事なことです。

桃太郎は鬼を倒さなくてもいいんです。

ある時はおじいさんは”川に洗濯”に、おばあさんは”山に芝刈り”にいってもいいのです。

川上から流れてきたのが大きなももでなくても。そのまま流されてもいいのです。

子供の口から出てきた新しい話に耳を傾けて、その世界に入り込みましょう。

子供の「ちゃちゃ」は、別にふざけたものに限りません。

絵本の絵を見て、「犬が来たね」「お猿さんがきびだんご食べてるね。」「キジって体の色がきれいでおしゃれだね」など、目に入ったことを次々と口にしていきます。

その言葉、拾っていきましょう。

子供の感じていることとか、興味のあるものがわかっておもしろいです。

こちらも「本を読まなきゃ」のマインドから「一緒に絵本を通して会話しよう」というマインドに切り替わっているので、ストレスなく絵本読みができます。

お話を一方向に子供に聞かせるだけではなく、子供と双方向に会話することが絵本読みの最大の魅力であり、大事なことと思いながら、絵本を読んでいきましょう。

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